スラブ叙事詩
仕事帰りに学生時代の友人と「ミュシャ展」を観てきました。
アールヌーボーのポスターがミュシャと勝手に思い込んでいた私には衝撃的な絵でした。
おびえる目
重なる遺体
顔のない顔
祈り
光
賛歌
展示会を観るとたいてい作家からのメッセージを感じますが、こんなに強く感じられた展示会はあまりないと思います。
「写実的だけどデザインされているよね」と友人から話かけられましたが確かにその通りです。
人物の表情や衣服はとても丁寧に細部まで描かれているけど、構図は匠にデザインが施され抽象的な部分も多くあります。
「民族の歴史を残したい。
歴史に名を残す人ではなく、そこに生きていた人々の小さな歴史を刻みたい。」
そんな強い気持ちでをもち、アールヌーボーのポスターで収入を得たミュシャは、スラブ叙事詩を描くために帰郷し16年かけてこれを描き上げました。
でも描き上げたときには時代が大きく変わり、すでに世間からはそのようなものは受け入れてもらえなかったと、途中で放映されていたビデオで知りました。
時をかけ、心血を注ぎ描いたものが受け入れられなかったときに寂しさはいかばかりだったか。
先ほど添付した作品の細部ではなく、全体の写真も添付します。
以下の作品は写真を撮ることが可能です。
「混むよ」と聞いており覚悟していたのですが、部屋も大きく絵も大きかったからかゆっくりと堪能できました。
後悔があるとすれば勉強不足の頭とオペラグラス。
どちらかがあったらもっと深くミュシャを理解できたかもしれないです。
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コメント
ミュシャ展のホームページを見ました。超巨大な20枚のシリーズが全部展示されているんですね。イラストが有名ですが最晩年に想いを込めて描かれた名作ということで首都圏にいたなら是非見たい展覧会です。オペラグラスがいるというのは、近くには寄れない?
投稿: 惑 | 2017/04/21 22:27
或さん、コメントをありがとうございました。
作品が巨大です。
近くに寄って観られるのは下の方だけ。
上の方を観るにはあまりに遠くて老眼の目にはぼやけて見えなかったのです。(∩_∩)ゞ
だからみなさん部屋の中央に集まって遠くを見るように鑑賞しています。
普通の展示会とは一風違った光景ですよ。
スラブ叙事詩はミュシャの想いが筆にのって訴えかけてくる絵でした。
絵の力の大きさも感じる展示会でした。
投稿: 陶片木 | 2017/04/22 07:51